途中長いブランク期間があるが、30台前半New York在住中に友人から誘われてサーフィンを始め、「歴」としてはもう既に20年。
しかし「実際サーフィンをやっている期間は?」と言うと、5年くらいだろうか。(笑
頻繁に海に通っていた時期でも「週1」ペース。コロナ禍もあり、ここ数年は殆ど海に行けていない状態。
サーフィンが嫌になった訳ではなく、単純に「他にやらなくてはならないこと」が過多で、特にメンタル的に「海に行く余裕が無い」だけ。
しかhし、このメンタル的にと言うのは問題が多く、結局、このまま様々な理由を付けて海から遠ざかってしまう人は多い。
それ自体は、その人の様々な理由があるだろうし、生き方(ライフスタイル)なので全く否定をするつもりはないし、その必要もない。
ただ、自分自身に目を向けた時「俺はそうではない」と。
サーフィンに向き合う人生の中で、これまでミドルボードと呼ばれる、大体6フィート後半から8フィート台くらいの長さ(2m〜2.5m位?)のボードを乗ってきた。
そして、そのどれもが中古で安く手に入れたサーフボードばかり。
中古ボードで、自分の体型や乗り方にフィットするサーフボードと出会う事が出来れば、格安で手に入れることが出来る利点もあり、それはそれで良いと思って居る。
しかし、なかなか自分にフィットする物って出会うのは難しいのも事実である。
ミドルやロングと言ったサーフボードであれば、そのフィット感は薄れるのでこれまでそれなりに楽しんでサーフィンをしてきた。
そして、50代も半ばに差し掛かり「色々な思い」が有り、今回、考えてみたら「ビジネス」ではない、完全に自分の趣味という物に対して人生で初めての大きな買い物をした。
5″11’のショートボードを自分に合うカスタムで削ってもらった。
これまでに、パソコンなど、100万円近い自己投資はしてきている、しかしそれは、それを使ってお金を稼ぐための道具の一つという頭が有っての事。すなわち、その投資によって、それ以上の収入を得るという頭があってである。
サーフィンをやっている人からすると、54歳で5″11’??と思う人も多いと思う。その通りである、通常とは逆行している。
若い頃にショートにのり、年を重ね、体力的も落ち、これからはゆっくりサーフィンライフを楽しむ為に、ミドルやロングと言った板へ移行する。今回は完全にそれに逆行している。
まわりからは「無理だろう」「辞めとけ」「無駄だよ」と色々な言葉があった。
しかし、今回のボードには個人的に色々な思いがあり、この長さにこだわってオーダーをした。
そしてこのサーフボードは、自分の人生において、初めてのオーダーボード。自分専用の自分にフィットしたサイズで、シェイパーである宇田大地さん、ショップであるChristy Surfの鈴木君と相談をしてフォームから削りだしてもらった。
特にシェイパーの宇田大地さん(ダイさん)には、相当、頭を悩ませてしまったと思う。責任感の強い兄貴肌のダイさんだからこそ「削るいじょう、ENGIN#9にサーフィンを楽しませさせたい」との思いが大きかったと思う。
実際その為に、2回削ってもらっている。
今回、幅が58cmなのだが、1枚目が54cmで削ってもらった。これは、ベースとなるフォームの関係もあり、最初のフォームだと54cmがギリギリとれる限界。しかし、ダイさん的にはENGIN#9には54cmは….と言う思いが。
そこで色々と相談をし、ワンランクアップした「GAEA DRIVE」のフォームであれば58cmも削り出せると言う事で、少し値段はアップするが新たに58cmで削りだしてもらったのだ。
54cmで削った物は、もちろん無駄にせず、デモ用の板として完成させ、かなり調子が良いと聴いて居る。
今回、5フィート台でサーフボードを作ったのは、まず自分の中で「絶対に無理」というのを払拭したいという思いがあった。
数年前、ダイさんの所にサーフィンに行った際に「一度これ試してみな」と言われたデモボードがあった。
それが、5″11’のフィッシュボードだった。その時「ミドルしか乗ったことがない俺には絶対無理ですよこんな短いボードは」と一度お断りをした。
しかし、ダイさんは「いやいや、ダメかどうかは一度試して見たら良いんじゃないか? それに、ボードは長さだけが問題じゃないから」と。
その日、自分のミドルボードを置いて、このショートボードで海に入った。
はなから「自分にはこの長さは無理だ」と。しかし、その意に反して、波に乗ることが出来たのに驚いた。「まさか自分が5フィート台のショートボードに乗れるなんて」と、その衝撃は凄かった。
50台もなかばに差し掛かり、正直、身体の体調にも色々な「負」の要素が出てきて居るのは事実。
ここ近年は、生活の為に仕事ばかりで、サーフィンはおろか自分自身に余裕が無く、ストレスが蓄積するばかり。そして、そのストレスがまた体調の不安定要素の原因になっているという「負の連鎖」でしかない。
これで本当に良いんだろうか? 生きて行く(生活して行く)為には仕方が無いと、自分に言い聞かせているだけで良いのだろうかと。
このままだと、仕事が忙しいことを理由に、休みは家で休息と言う名のダラダラで、ろくに疲れも取りきれないまま、また仕事に出かける。そんな日々の繰り返しで、この先一体どうなるんだろう?
そんな思いが頭をよぎり、この流れを変えるためにも、意志の弱い自分自身に「サーフィンに行く強い理由」を自分に科す必要があった。
多少疲れていても「折角サーフボードを作ったのだから」これを理由に、遠のいていた海へ自分のモチベーションを向ける。
海に入れば、メンタル面も解放出来る、体力的にも追い込むことが出来、睡眠の質の向上もある。これらによって、自分の中で総体的に上げて行く事が出来る。そんな「スイッチ」にするためにもサーフボードを作ったのだ。
50代半ばに差し掛かり、この先「あと何年生きられるのだろうか」。その間に、どれだけハッピーな時間を過ごせるのだろうか。
お金を儲けるだけではなく、そのお金をいかに自分のハッピーに変換出来るのかである。
このサーフボード。今の自分の技術、体力ではそう簡単には乗りこなせないと思う。
でも、良いんだ。今は乗れなくても、数ヶ月先、数年先には絶対に「乗ってみせる」という強い意思が自分の中にある。それこそが、無理難題を投げかけ、頭を悩ませ、一生懸命に削ってくれたダイさんへの恩返しだと思って居るし、40代50代になってものることが出来るショートボードがあるという証明にもしたい。
そしてなによりも、リミットが近付きつつある自分自身の人生を豊かに過ごす為だから。